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渕上建設-シックハウス症候群と化学物質過敏症

シックハウス症候群と化学物質過敏症について

健康でかつ安全な生活が送れる住まい。

二つの病気の違いは何でしょうか

ありかたくないことに、この数年ですっかり知名度を上げた感のある、シックハウス症候群と化学物質過敏症。

よく耳にする言葉ではありますが、両者の違いや原因、症状や対策などをはっきりわかっている人は少ないと思います。

シックハウス症候群とは。

シックハウス症候群というのは、室内の空気の影響で体に不快な症状が出る場合を指します。
WHOのシックビルディング診断基準では、

  • ①目、鼻、のどの刺激症状、粘膜の乾燥感
  • ②皮膚の紅斑、かゆみ
  • ③疲れやすさ、頭痛、精神的疲労、集中力の低下、記憶力の低下、めまい、吐き気
  • ④嗅覚、味覚の異常
  • ⑤過敏性の反応(分泌充進など)

となっており、化学物質過敏症との違いは、シックハウス症候群だけの場合は、原因の建物を離れると完全に症状が消えるという点です。
室内空気を測定すると、ガイドライン以上の有害物質が検知されたり、そのビルや家にいる何割かの人がだいたい同様な症状を示したりするのも特徴です。

もちろん、そんな症状の出る家は欠陥住宅の一部です。

シックハウスの恐ろしさの動画を紹介します。

化学物質過敏症について

化学物質過敏症とは

化学物質過敏症は、建物の中以外でも、反応する化学物質に再接触した場合に症状が出てきてしまうのです。

特徴をまとめると、以下のようになります。

  • ①ガイドライン以下の微量な化学物質で発症する
  • ②同じ環境でも出る人と出ない人がいる
  • ③症状は人によりまちまちである
  • ④症状は慢性の経過をたどる
  • ⑤症状は多器官にわたり、変化することもある
  • ⑥これまで平気だった物質にも過敏になる
  • ⑦原因物質の除去によりいくらか改善されることもある

このように、シックハウス症候群よりファジーで原因までなかなかたどり着けない化学物質過敏症は、団体の中で一人だけ発症したりすると、病院や職場で「おかしいのでは」などという一言で片付けられてしまうおそれがあります。

それが子供の場合、化学物質過敏症のために学校に行かれなくなっても、「仮病だ」などと、周りの誰にも理解されず、不登校に陥る不幸な例もあるのだそうです。

また、シックハウス症候群から化学物質過敏症に移行する場合が多いので、まずはシックハウス、シックビルをなくす、つくらない社会体制が必要です。

化学物質過敏症の少女という動画を紹介します。

シックハウス症候群の原因

中途半端な省エネ住宅

どうして、シックハウス症候群が生まれてしまったのでしょうか。

それはもとはといえばオイルショック後、省エネのためといいながら、中途半端な断熱をして、しかもサッシなどの気密だけはどんどん高くなっていくのに、居室の換気は全くできていないという建物が奨励されたことに端を発しました。
空気の入れ替えのない家に、安くて早く大量生産できる化学物質が使われた建材。

これではまるでペットボトルの中に住んでいるようなものです。
昔の住まいはもっとラフで、外と内の空気が常に入れ替わるようなつくりで、しかも呼吸する自然素材でできていたのに、高気密になった室内と、そこに揮発する有害物質という最悪のコンビネーションが急速につくられ、悲劇は起こってしまったのです。

化学物質は、空気と共に体内に入る

「WHOの条文に『人間は汚れた水を飲むことにたいへんな抵抗を示すが、汚れた空気を吸うことには抵抗を示さない』という一節があります。

人が一日に口にする飲食物はせいぜい2~5㎏ですが、空気は15~20㎏近く取り入れているのです。

一般的な菌、たとえば真菌などが飲食物と共に体に入っても、体内で肝臓など何箇所かのフィルターの役目をしてくれる解毒器官でろ過されます。

化学物質は、空気と共に体内に入ることが多いので、その場合肺から直接血液に溶け込み、体中を走り回り、中枢神経まで到達してしまいます。

一部はのどや気管の粘膜を直接刺激し、嗅神経を伝われば自律神経の中枢である視床下部を含む大脳辺縁系を経由して、直接脳まで流れていきます。

吸い込んだ空気の汚染物質は、神経への影響をきたすのです。

食べ物の10倍もの量を摂取している空気。


フィルター機能はほとんどなく、直接神経に到達してしましますす。

気密性の高い室内で、ビニールクロスや合板フローリング、合成樹脂に含まれていて発ガン性が疑われるホルムアルデヒドや、接着剤などに含まれるトルエンやキシレン、防蟻処理として床下に撒かれることの多いクロルピリホスなどが少しずつ揮発し、汚染された空気を毎日毎日も吸っていたら、その中の毒性物質が体内に蓄積されて、神経が失調をきたしたとしても不思議はないでしょう。

避けたい化学物質と薬剤

どんな化学物質や薬剤がもっとも危険で、どう人体に有害なのでしょうか。

専門的な知識を得るには本を何冊も読まなければならないので、もっとも優先的に避けたい物質について警告しておきたいと思います。

多くの有害な化学物質の中で、厚生労働省が「これ以上の濃度になると人体に影響が出るであろうと予測される指針値」を決定しているのは13物質です。
以下、財団法人化学物質評価研究機構のホームページなどを参考に、その13物質名と発生源、疑われる毒性の順で記載しましたので参考にしてください。

①ホルムアルデヒド…接着剤、家具、合板下地材、防腐剤から発生。

皮膚、呼吸器、粘
膜への刺激性があり、変異原性、発ガン性が疑われる。
低濃度で中毒の危険性があり、
シックハウスの一番の原因といわれている。

②トルエン…接着剤塗料の溶剤、可塑剤(樹脂を軟らかくする物質)、家具から発生。


枢神経系機能障害を生じ、薬物依存性をもつ。

③キシレン:接着剤塗料の溶剤、防腐剤、家具から発生。

頭痛、悪心、めまいなど神経
症状を示す。
眼や気道、皮膚への刺激性、肝臓や腎臓の機能障害の疑いがある。

④パラジクロロペンゼン…防虫剤、芳香剤から発生。

肝臓すい臓への影響が疑われる。

⑤エチルベンゼン:接着剤塗料の溶剤、家具から発生。

眼、鼻、呼吸器系への強い刺激
性、運動失調、脳、肺の充血及び水腫がみられる場合がある。

②③と共に「シンナー」
として売られている商品に使われている。

⑥スチレン…断熱材、畳、各種樹脂、樹脂塗料から発生。

疲労感、頭痛、めまいなどの症
状がみられ、自律神経症状がみられる。
環境ホルモン指定を受けている。

⑦フタル酸ジーn―ブチル…可塑剤、ビニール床シート(塗料、壁紙、接着剤)から発生。

⑩と共に、環境ホルモン指定を受けているものが多い。

⑧クロルピリホス…防蟻剤から発生。

有機リン系の化学物質。
サリンやVXガスといった
神経兵器の仲間で、神経系に強い作用がある。

⑨テトラデカン…溶剤から発生。

皮膚刺激、生殖器への影響がある。

⑩フタル酸ジー2エチルヘキシル:可塑剤(塗料、壁紙、接着剤)から発生。

胃腸障害。

下痢を引き起こす。

⑩ダイアジノン…防蟻剤、農薬から発生。

運動失調、麻庫の可能性が疑われる。

⑩アセトアルデヒド:接着剤、防腐剤から発生。

眼、気道への刺激性がある。

⑪フェノブカルブ…殺虫剤、防蟻剤から発生。

神経系への影響がある。

なお、財団法人建築環境省子不ルギー機構が、1996年に建設省、厚生省、通産省、林野庁の協力の下、学識経験者、関連業界団体などでつくった組織「健康住宅研究会」では、最優先取り組み物質として「3物質3薬剤」を指定しています。

それは、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレンの3物質と、木材保存剤、可塑剤、防蟻剤の3薬剤です。

また、住まいが大きな原因となって発生している環境ホルモンがダイオキシンです。

ダイオキシンの根源は塩ビ製品ですが、塩素を含むシロアリ駆除剤や防腐剤を使った木材も発生原因になります。

塩化ビニールの原料となる塩ビモノマーは高い発ガン性が認められており、塩ビ可塑剤の多くに環境ホルモン指定を受けているフタル酸エステルが使われています。

塩ビクロス(ビニールクロス)、ビニールタイル(クッションフロア)、合板などに貼られている塩ビフイルム、塩素を含む殺虫剤や防腐剤、塩ビの給水配管などは最優先で避けましょう。

有害な化学物質は、直接毒性といって粘膜や皮膚への刺激から始まり、一定濃度以上で接すると死に至るという性質があります。

微量であっても長期で接すると化学物質過敏症になる可能性がありますので、できる限りの努力で避けましょう。

エセ健康建材に編されないために

組成表などを調べてみると、多くの新建材にこうした有害な化学物質のいずれかが入っていることがわかります。

「健康」「体に優しい」「ナチュラル」「エコ素材」などという謳い文句が付けられている商品でも、ほとんど実体が伴っていない場合があります。

それはお菓子やパンなどの「手づくり」「ホームメイド」「甘さ控えめ」などという宣伝文句よりもさらに曖昧だとすら思えてしまいます。

その理由は建材や家に関してのエコ、健康という基準や評価が何も定められていないのが原因です。

自然素材の壁、天井の左官仕上げとして最近注目されている珪藻土も、そのもの自体に固まる性質はありません。

ほとんどの商品には「つなぎ(バインダー)」としての樹脂や接着剤が入っていて、本来の珪藻土の成分が5割を上回る商品のほうが少ないのが現状です。

ほとんどの商品は「珪藻土入り商品」と呼んだほうがいいということになります。

こんなご時世では、建材に限ったことではありませんが、自分の身の回りに置くものや体に取り入れるものは、企業のご都合主義的宣伝文句を鵜呑みにせず、中身を自分で確かめて買ったり使ったりするしかないようです。

でも心配いりません。渕上建設では健康住宅に関する建材は必ずお客様に説明し、健康に害のある建材は使用しないように施工いたします。



シックハウス症候群にならないためには

7割以上が女性が発症

化学物質過敏症と診断された患者のうち、7割以上が女性だそうです。
平均年齢は39歳です。

女性が多い理由としては、

  • ①VOC(揮発性有機化合物)は脂肪に溶けやすいため、体脂肪率が高い女性が発症しやすいのではないか
  • ②女性のほうが一般的に室内滞在時間が長い
  • ③女性は40歳前後でホルモンバランスが変わることが多い

ということなどが考えられています。

シックハウス症候群にならないためには

化学物質過敏症に移行する危険性の高いシックハウス症候群にならないためには、家づくりにおいて化学物質を使わない、それが無理なら限りなくゼロに近くする必要があります。

住まいに使われる主な化学物質にはどんなものがあるのか、またそれらが体に与える影響などについて三つのポイント

①長着剤溶剤塗料などの液体

これらには芳香族のトルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンなどが入っていることが多いので、チェックします。
MSDS(安全データシート)を取り寄せるとともに、0.1%未満の場合は入っていても「ノントルエン」などと書かれていることもあるので、見本を取り寄せてビンに入れ、シンナーのような独特の臭いがしないか嗅いでみます。
クリーナー、リムーバー、ワックスなども要注意です。

②表面積の大きい家具

システムキッチン、システムクロゼットなど、展開すると表面積が大きくなる家具類に毒性物質が使われているか調べます。
ホルムアルデヒド放散量が最低のFCO、EOという表示がされていても、表面積が大きいためO08ppm以下という厚生労働省のガイドラインをクリアできないことも多いからです。

③ホルムアルデヒド以外のSVOCにも気を使う

低ホルムアルデヒド建材の場合、ホルムアルデヒドを減らした代わりにアセトンを増やすなどして、却って化学物質の総量が増えている場合があるので要注意です。

発ガン性が高い塩化ビニールモノマーもSVOCで、ビニールクロスなどの材料です。

発ガン性が疑われるホルムアルデヒドは、おもに樹脂の耐久性を高めるためや、防腐効果のために使われますが、室温でも揮発するSVOC(高揮発性有機化合物)であり、強力な殺菌、殺虫作用があります。

これを水に溶かしたものがホルマリンで、解剖した内臓を潰けておけば腐らないことからも、どの程度の殺菌力かは想像がつきます。
安価なために、樹脂建材の材料として、フローリングやビニールクロス、家具、本など、至るところに使われています。

2003年7月から施行される改正後の建築基準法では、使用が禁止される防蟻剤のクロルピリホスとともに規制の対象になっています。

室温でも少しずつは揮発するVOCなど、他は何も規制されておらず、行政の指導はまだやっと始まったばかりです。

合板やMDF、ビニールクロスなどをどうしても取り入れる必要があるなら、使われている樹脂の種類を調べることが重要です。

ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂のうち、一般的に使われているのがユリア樹脂ですが、これがもっとも遊離ホルムアルデヒドが多く、一番少ないのがフェノール樹脂だということを覚えておきましょう。

規制対象になっていない物質が安全だなどといえないのは、すでに多くの人が病気になっていることからも明らかです。




人の五感を大切にした設計

客観的評価基準が定められていない現状

住んだ人の何割かが具合が悪くなるシックハウスや、測定器で測れば行政の決めた基準値以上の有害物質が検知されたりする住宅は明らかに違うとしても、これがエコ住宅でこれ以下はそうではない、という客観的評価基準が定められていないのが現状です。

優先順位をつけてなるべく健康的で環境と共生できる家にしていくしかありません。

理想をいえば、行政なりが早く厳しい評価基準を定め、エコロジーな建物以外は建てられないようにすればよいのですが、まだまだ遠い話のようです。

そこに至るまでは、人や環境に配慮した家をつくるとしたら、建て主と建てる場所によってフレキシブルなかたち、スタイルにするべきなのだと思います。

たとえば、冷暖房器具を使わずに自然の光や風だけで生活する家は理想的ですが、都市の中や花粉症の建て主といった厳しい条件が付いた場合、必ずしもそれが建て主にとって幸福とは限りません。

フィルターを付けて24時間強制換気をする必要があるかもしれませんし、冷暖房器具がなくては快適に過ごせない日もあるでしょう。

その場合も、大丈夫な季節はできるだけ窓を開けて自然の空気と触れ合い、人工的な照明や冷暖房はあくまでも補助的に使いたいものです。
そうでないと、人の五感は鈍ってしまう気がします。


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